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【SDGs】身近な国際交流はじめませんか?三菱アジア子ども絵日記フェスタ(後編)

#SDGs #yasu-kuro #国立夜須高原青少年自然の家 #国際交流・異文化理解

新型コロナウイルスにより、海外に渡って行う国際交流などの直接的体験活動が減少していますが、
そんな状況の中でも、様々な方法で国際交流・異文化理解は可能です。

今回は、「三菱アジア子ども絵日記フェスタ」の皆さまの活動を紹介する後半となります。

【SDGs】身近な国際交流はじめませんか?三菱アジア子ども絵日記フェスタ(前編)


今回お話をお伺いするのは、「三菱アジア子ども絵日記フェスタ」に携わる、三菱広報委員会と日本ユネスコ協会連盟の皆様をはじめ、事務局の方に事業について教えて頂きました。

——ESDに視点を当てた絵日記についての取組を教えてください。
本絵日記事業がスタートした1990年は「国際識字年」という、全ての人々が読み書きができるようにと国連が定めた教育の年でした。SDGsでいえば4.6(2030年までに、全ての若者および成人の大多数(男女ともに)が、読み書き能力および基本的計算能力を身に付けられるようにする。)ですね。絵日記が識字教育に結びつくことを期待して、というのが始まりでした。絵日記を通じて、文字の読み書きのできない大人の文字の読み書き教育、その予備軍である子どもへの教育という事で、今でいうSDGsをかなり先取りした形で推進してきたといえるかもしれません。

2012年からは、ESDを事業趣旨に加え活動の幅を広げてきましたが、活動に取り組む中で、SDGsの17ゴールが全部、絵日記の中に入っていることに気がつきました。そこで今期、絵日記を通したESD活動のツールとして、SDGsのゴール毎にまとめた作品パネルを作成し学校を中心に貸し出しています。加えて、ダイレクトに子どもたちに伝えることができるように、SDGsに関する絵日記を活用した出前授業なども実施しています。

絵日記を描いてもらう際に、ESDやSDGsを意識してもらっているわけではないですし、時代背景によって内容も違いますが、ESDやSDGsについて色々な角度で抽出してみると、全てのゴールに関して読み取れる絵があることは面白いですよね。写真を使うよりも、子どもたちが手で描いた絵や文章の方が、同年代の子どもたちへ響くのではないかと思います。

——この事業を通して、思い出に残るエピソードなどありましたら教えてください。
グランプリに選ばれた子どもが集まる国際表彰式。その期間中にテーマパークに行った際、ベトナム・日本・中国の子どもたちが、肩を組んで仲良く歩いていました。そして、言葉が通じないが楽しそうに会話しているのを見ました。大人の世界と異なり、国境の壁を越えた国際交流ができた出来事でした。

他には、11期(2013年)にグランプリが来日した際に、ミャンマーと日本の子どもがすごく仲良くなり、終わった後も連絡を取り合っていたそうです。ミャンマーでクーデターが起こった際、そのミャンマーの子が日本の子へメッセージを送り、日本の子がなんとかしたいと活動しているとニュースになったこともありました。平和や人権のことなど、絵日記フェスタでの出会いをきっかけに交流が続いていることに意味があるのではないかと思います。

また、絵日記自体の題材が豊かで、その国のお祭り、学校の風習、家族の付き合い方など描いていますが、時代により、子どもの視点が少しずつ変わってきているのも印象的です。
例えば、カンボジア。恐怖政治などがあり、その後内戦などが続いてきたこともあったため、初期の絵などは、血が描かれていたこともありました。しかし、現在は、農業のことなど平和な絵になってきています。

続いて、東ティモール。内戦後2002年に独立を勝ち取ったという歴史があります。本事業に参加し始めた頃の作品を見ると、単純な線と点で少し絵がついているような幼い子どものような絵を、6年生の年齢の子どもが描いていました。しかし現在は、描き方や、色が豊かになり、ストーリーができているなど、独立してからの変化を感じることができます。
国としての成長が絵日記に現れていることも楽しみの一つです。

描かれたものから人権・環境・平和・持続可能性について学んでもらうこともできます。絵日記を見た人が意味を再構築することにより、多様性を認める、理解をすることが平和につながるので、ESDやSDGsの観点からも、いろいろな人に事業を知ってもらえると嬉しいです。

——外国との交流をするなかでよく見られるものは、お互いの文化を紹介するが生活に即したものではなく、「あやとり」など日本の文化的なものを紹介のみで終わることが多いと思います。生活そのものについて、絵日記を通して知ってもらうことが重要ではないかなと考えます。本当の異文化交流と言えるのではないでしょうか。

交流会では、せっかくいろんな国から来るので、和太鼓など見せたり、日本の遊びの体験をしてもらったりもするのですが、一番笑顔がみられるのは、やはり学校などで交流したり子ども同士で絵を描いたりするときが多いです。

——文字だけではなく、絵を描くというのは、日本の子どもたちにとっても自分史として絵日記を残していくとか、今の自分の生活や思いや夢を文字や絵にすることが、将来的にも非常に有効で重要なことだと思います。最後に、福岡・佐賀の子どもたちにメッセージをお願いします。

絵日記では、絵と文章がシナジーをもたらすと思っています。子ども自身が伝えたいメッセージが伝わりやすいということがあるのではと考えています。
子ども時代に、SDGsに慣れておくと、大人になってからの大変感がないかなと思います。いざリサイクルなどに取り組むときにも自然な形でできる様になると思います。小さい時期から触れていることで、今後の未来を作る中でその状況に慣れていく世代になるのではないでしょうか。

選考委員の先生方は、上手い下手ではなく、伝えたいものを一生懸命描いている、伝えようとしている気持ちが響いてくるかが大切だとおっしゃっています。絵が下手だから、文字が下手だから、文章を作るのが下手だからなどで、諦めるわけではなく、自分の生活をひとつ切り取って残していくことが歩みのある部分であるかと思うので、ちょっとやってみよう、ちょっと伝えてみようというきっかけになれば嬉しいです。

最後に、堅苦しくSDGsをしなくても、マイブームなどと同じ感覚で、SDGsに取り組むと付き合いやすくなると思います。無駄なものを買わないなど軽い形の取り組みを続けていき、気が変われば別の取り組みにチャレンジしてもいいんです。マイブームを変えつつSDGsをしていくと疲れないSDGsになるのではないかと思います。


2回にわたって、三菱アジア子ども絵日記フェスタの活動について紹介しました。
ぜひ学校やご家庭で取り組んでみてはいかがでしょうか?

また、家庭教育新聞の記事に、各学校での取り組みや、教科と関連づけた活動などをまとめた特集記事もありますので、あわせてご覧ください。(2012年の記事)

家庭教育新聞掲載記事はこちら(2012年の記事)

== 三菱アジア子ども絵日記フェスタ ==
6歳から12歳の子ども(応募時点)を対象に募集。
テーマは、「伝えたいな、私の生活」。応募者全員に「オリジナルクリアファイル」を贈呈。

(お問い合わせ) 三菱アジア子ども絵日記フェスタ事務局
TEL:03−5777−6825
H P:https://enikki.mitsubishi.or.jp/

HPはこちら

今回の執筆者
国立夜須高原青少年自然の家 事業推進係 畔柳達弥
民間企業等との連携や、国民運動等の普及啓発活動を行っています。

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