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【事業報告】令和3年度 九州・沖縄地域ESD推進計画 地域ESD・自然体験拠点等意見交換会

#SDGs #国立夜須高原青少年自然の家

九州地方ESD活動支援センターは、平成29年に設置されて以来、中間支援組織としてビジターセンター、自然体験施設をはじめとしたESD(持続可能な開発のための教育)実践者の皆様による、地域ネットワークの構築を目的に、ワークショップの開催等、多様な実践者の連携・協働を支援しています。

【ご参考】九州地方ESD活動支援センター

九州ESDセンターでは、これまで皆様の協力のもと得られたネットワークを、成果として活用しながら、九州・沖縄地域で、今後どのようなESD推進を目指すのか、具体的な目標を整理・明示するものとして推進ビジョン(仮称)の策定を検討しています。
推進計画の策定にあたっては、地域でESDを実践されている皆様のアイデアを集約するため、推進に向けた課題、またそのために関係者が地域でどのような役割を担っていくのかを議論する場が必要であると考えています。

今回、国立夜須高原青少年自然の家のご助力をいただき、地域ESD活動推進拠点、国立公園内ビジターセンター等、実践者の皆様による意見交換会を開催しました。

本意見交換会ではまず、事例発表として『小学校における生物多様性の保全に関する環境教育事業』と題し、一般社団法人まほろば自然学校の岩熊志保代表理事に情報提供者としてご登壇をいただきました。

【ご参考】一般社団法人まほろば自然学校SNS

環境教育プログラムの企画・実施、太宰府市民の森での「いきものふれあい講座」の実施、地域の保育園、環境施設などへの出前活動が紹介されました。
自然環境調査を継続し科学的なデータを蓄積、生物多様性の保全に向け、専門家と市民を交えた活動を行っているとのご紹介があり、地域の小学校と協力、協働した活動に注目が集まりました。

続いて、『夜須高原におけるESD・SDGsの取組について』と題し、独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立夜須高原青少年自然の家の井上 智朗所長にご登壇をいただき、事例紹介をいただきました。
ESD、SDGsに取り組む新たな施設づくりを志されたことを活動の端緒として、情報の収集発信、事業展開、連携協働の3点に分けてご説明をいただきました。


情報収集、発信プロジェクトである「YASUKOGEN SDGs project」により、職員間の共通理解が生まれ、施設におけるSDGsブランディングの取組が行われていることが紹介されました。

【ご参考】国立夜須高原青少年自然の家 » YASUKOGEN SDGs Project

「SDGs」推進宣言、ガイドブック、職員コラム等による情報発信により、職員の意識向上、他機関との連携拡充が推進されている特長をご説明いただきました。
 また施設の事業展開では、周辺地域の里地里山に代表される、人と自然の関わりの中で育まれた自然と文化を、SDGsの視点から体験プログラム化し、昨年度モデルとして周辺小学校で展開されています。
ESDの大切な視点として「アート」の存在を重視し、「夜須高原こども芸術まつり」として、地域の甘木絞り、森のめぐみアート等の体験プログラムが実施され、ものづくりの視点から地域の持続可能性を考えるきっかけづくりが行われています。
連携協働については、地域と繋がりながら、企業、団体からの寄付を運営に活用するため、夜須高原Support Projectが行われています。民間企業名の紹介や、冠事業、ユニフォームのロゴ掲載、CSRの協力など、Web上のプラットフォームから積極的な発信が行われている点に注目が集まりました。
最後に井上所長からは、これら3つの取組戦略を通して、SDGsの達成、ESDをキーとして、施設の運営強化を進め、各主体と連携を重ねていきたいというお言葉をいただきました。

当日ご参加の皆様により実施した意見交換の時間では、事例発表について大いに参考になったというご意見や、自団体で協働して行える事業ができるのではないか期待感が述べられていました。また課題として、SDGs啓発、ESD推進に取り組む壁や、研修機会の不足についても議論されました。
また、取り組み、事業を持続させ、継続的な取り組みにしていく工夫が必要という意見もあり、地域を超えて団体間のネットワーク構築の有効性が議題となりました。

 現在も新型コロナウイルス感染拡大の対応に、地域社会全体が追われている中、持続可能な地域社会を創出するための担い手育成は、普遍的な重要課題と考えられます。
 教育実践者だけでなく、企業や行政等多様な関係者が、共通の課題として担い手育成を捉え、実践についての問いを持ちながら、関わりを持ち続けられる仕組みづくり、対話の話づくりが有効であると改めて実感する意見交換会となりました。

 九州ESD活動支援センターでは、このような場作りを通して得られた皆様のご意見を活動内容に導入しながら、九州・沖縄地域のESD実践者の皆様に対し、多角的な視点で支援を実施して参ります。
 今後とも九州ESD活動支援センター活動へのご助言、ご協力をお願いいたします。

※開催レポートの詳細は下記にてご紹介しております。

開催レポート

九州地方ESD活動支援センターの活動は下記にて発信しております。
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開催の概要
■日  時 令和3年10月19日(火) 13:15~17:00
■ハイブリッド開催
【対面開催】夜須高原青少年自然の家(〒838-0202 福岡県朝倉郡筑前町三箇山1103)
【オンライン開催】
■主  催 九州地方ESD活動支援センター(EPO九州)
■プログラム
1.開催挨拶
2.九州ESDセンターによる趣旨説明
3.参加者自己紹介
4.活動紹介
『小学校における生物多様性の保全に関する環境教育事業』
一般社団法人まほろば自然学校

『夜須高原におけるESD・SDGsの取組について』
独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立夜須高原青少年自然の家

◎参加者意見交換
・【テーマ】地域におけるESDの現在地を探る
・活動紹介を受けてのご感想

5.九州・沖縄地域ESD推進計画(仮称)の説明

6.意見交換(全体をとおして)

◎参加者意見交換
・【テーマ】ESD実践者の役割と地域課題解決について
・現在、自団体、施設に期待されている役割
・課題の解決に関する支援、活動パートナーのニーズ

7.閉会挨拶

今回の執筆者
九州地方環境パートナーシップオフィス EPO九州
九州地方ESD活動支援センター
勝家 伸男

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